2009第2回 食の安全国際フォーラム

弊社のタイ現地法人、Ueno Fine Chemicals Industry (Thailand), Ltd.(以下、ウエノタイと省略)の主催により第2回食の安全国際フォーラム〜ウエノ・フードサニテーションセミナー〜が開催されましたので報告いたします。

日時
2009年(平成21年)4月22日
会場
Grand Hyatt Erawan Bangkok
主催
Ueno Fine Chemicals Industry (Thailand), Ltd

2008年2月の第1回フォーラムは食品添加物を切り口にタイ国と日本との相互理解をテーマとしていました。今回は原料や製造工程の衛生管理対策に焦点を当て、タイにおける食品衛生の第一人者であるDr. Suwimon Keeratipibul(チュラロンコン大学理学部准教授)をコーディネーターとして迎えました。講師としては日タイ双方の専門家をお招きし、弊社とウエノタイによる実演もまじえた実践的なセミナーとなりました。おかげ様で、タイ現地の食品工場担当者らを中心に約130人にご参加いただき盛会となりました。

プログラム
開会挨拶 笠木憲生(ウエノタイ President)

基調講演1
泉 秀実氏
「日本における加工食品原料の除菌について」
 泉 秀実氏

(近畿大学生物理工学部生物工学科食品保全工学研究室 教授)


食品製造におけるサニテーション(衛生管理)の概要を紹介いただきました。さらに、カット野菜の殺菌技術に関する詳細な研究成果を基に、それぞれの青果物に適した殺菌製剤の組み合わせ方法を見極めることが重要であると締めくくっていただきました。

 


基調講演2
Dr.Adisorn Swetwiwathana
「Sustainable sanitation techniques for microbiological quality and safety of food plants」
 Dr.Adisorn Swetwiwathana

(キングモンクット工科大学ラカバン校農業工学部 准教授)


食品衛生に関する基本的な話からスタートし、タイでの食中毒の現状や食中毒菌の特徴を紹介いただきました。また、食品工場での実験結果を示しながら、効果的なサニテーション方法について説明いただきました。

 


実演講座
「アルコール製剤を用いた食材と食品の除菌」 
「食品工場の製造ライン・機器類のサニテーション方法」
上野製薬およびウエノタイのテクニカルサポートチーム
アルコール製剤や洗浄除菌剤の効果や手軽さといったメリットの説明を、実演を織り交ぜながら説明させていただきました。

■アルコール製剤を用いた食材と食品の除菌
【1】
ソーセージを除菌するには、アルコール製剤「キルバクト®SU」に浸漬します。
【2】
手指も「キルバクト®SU」で除菌します。
【3】
スモークサーモンは表面に「キルバクト®SU」を噴霧して除菌します。

■食品工場の製造ライン・機器類のサニテーション方法
【1】
洗浄除菌剤「サイダリー®」(0.3%)で調理器具の汚れを落とします。
【2】
汚れを落とした調理器具を「サイダリー®」(0.3%)に浸漬します。
【3】
使用前に、水でよくすすぎ、アルコール製剤「キルバクト®SU」を噴霧してから組み立てます。
実演の様子はスクリーンに映し出して会場の皆様に見ていただきました。


質疑応答
最後にDr. Suwimon Keeratipibulのコーディネートにより、会場との質疑応答を行いました。受講者には加工食品工場の生産や品質管理の責任者が多く、実務的な質問が相次ぎ、タイでも食品衛生への関心が高まっていることがうかがわれました。

閉会挨拶 一ツ家良一(上野製薬株式会社 取締役)
食の安全 国際フォーラム
写真左から、上野製薬(株)上野カ ミ ノ課長、Dr. Suwimon Keeratipibul、
泉秀実教授、ウエノタイ笠木社長、Dr. Adisorn Swetwiwathana