History
1918年〜
ウエノは「社会に役立つものを」と熱き理想に燃える上野政次郎によって、大阪の道修町で産声をあげました。
まだ日本全体が貧しく、人々は栄養不足だった時代です。衛生状態も悪く、赤痢や腸チフスなどの伝染病が多発していました。
日本国民の食生活を改善する、安全な食品づくりに貢献するために、ウエノと微生物との戦いが幕を開けました。
当時の醤油は、現在のようにプラスチックのボトルに詰められているのではなく、樽詰め等で売られていました。その表面に白いカビ(正確には産膜酵母と言います)が生えること、さらにそのカビがガスを発生して栓を抜くと醤油が噴き出すといったことが問題となっていました。
「メッキンス®」は醤油用保存料として多くのメーカーから支持され、醤油が安全に流通するのに役立ちました。「メッキンス®」及びその溶解性を改良した「ネオメッキンス®」は、現在でも醤油、ソース、清涼飲料水等に使用されています。
1953年~
高度経済成長や食品加工技術の発達に伴い、加工食品市場が拡大し、食品添加物の需要も高まりました。ウエノは保存料をはじめとした食品添加物のラインアップを揃え、各種加工食品の保存性向上に努めました。
かまぼこやソーセージのように、魚肉や食肉を練ってつくられる食品を練り製品といいます。練り製品の保存性を向上させるにはソルビン酸などが使われますが、生肉と酸性物質とが直接触れるとたん白質が変性して、食感が変わってしまうといった品質面の課題がありました。
「ソルマイティ®」はソルビン酸等の有機酸をコーティングしたものです。生で練り込んでいるときには酸が直接触れず、加熱時に溶け出して、最終の食品中で効果を発揮するように設計されています。このような工夫により、品質と保存性とを両立できるようになりました。
1980年~
食の形態が急速に多様化する中、より広い視点からの衛生管理の必要性が高まってきました。ウエノはいち早くトータルサニテーションを提唱し、食品工場と協力して衛生化などの課題に取り組みました。
トータルサニテーションについての説明はこちらをご覧ください。
また、東南アジアにおける生産・営業拠点としてタイ国現地法人「ウエノタイ(UENO FINE CHEMICALS INDUSTRY (THAILAND), Ltd.)」を設立し、タイ国の豊富な農産資源を使って糖アルコール製品や砂糖調製品の生産を始めました。
食品衛生の基本は微生物を「つけない」ことです。時代が進んで食品工場の衛生化が進む中で、ウエノの製品もご愛顧いただいてきました。
洗浄除菌剤「バントロポール®」は、洗浄→すすぎ→除菌の工程を1ステップで実現していること、耐熱性菌にまで効果のあることで、食品工場の確実な衛生化に役立っています。
エタノール製剤「キルバクト®」は、除菌力を補う成分を効果的に配合しており、食品添加物製剤であることから食品製造ラインにも気軽に安全に使うことのできる製品です。
微生物を「つけない」「増やさない」と言っても、実際に微生物がついていないのか、増えていないのか、目には見えません。
的確な衛生対策のためには、微生物検査が不可欠です。ウエノでは低コスト、迅速な微生物検査を提供して、食品工場の確実な衛生化をお手伝いしてきました。
2002年~
タイでの食品添加物製剤の製造販売を開始し、現地に進出している日系メーカーや現地メーカーに対してフォローができる体制を構築しました。また、食品メーカーを対象に、食の安全についての相互理解を目的としたフォーラムをタイで開催しています。
そして、2016年1月21日には上野製薬㈱より食品事業部を分割して㈱ウエノフードテクノを設立、新たな一歩を踏み出しました。