食品添加物の役割と利用

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03 食品添加物の役割と利用

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#3 食の安全を守る食品添加物

食の安全を守る食品添加物

ここでは、食品中の微生物が増えるのを防ぐ食品添加物のうち代表的なものについて紹介します。

ソルビン酸

ソルビン酸ソルビン酸は世界で最も用いられている保存料です。
カビや酵母、細菌に幅広く効果があります。特に、カビや酵母は他の食品添加物では対応が難しく、ソルビン酸が広く使われる理由の一つです。
ソルビン酸は水に溶けにくいため、ソルビン酸カリウム(ソルビン酸K)が用いられることもあります。ソルビン酸カリウムの効果はソルビン酸よりもやや劣るため、どちらを使うかはケースバイケースです。
ソルビン酸は化学合成により製造されています。通常、未加工の食品には含まれていませんが、クラウドベリーの果実中に含まれているという報告もあります。
ソルビン酸は、脂肪を構成する成分である脂肪酸の一種です。体内では、他の脂肪酸と同様に代謝され、二酸化炭素と水にまで分解されると考えられています。
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しらこたん白

しらこたん白しらこたん白はニシンやサケの白子から抽出されるたん白質で、日本で独自に開発された保存料です。1987年に鹿児島大学と当社との共同研究により実用化されました。日本の他に韓国でも使用することができます。
ソルビン酸は酸性でしか効果がありませんが、しらこたん白は中性~アルカリ性で効果が高くなります。また、耐熱性菌(加熱に強い菌)の増殖を抑えることができます。
白子には長年の食経験があり、しらこたん白自体も安全性が確認されています。しらこたん白は、小腸でアミノ酸にまで分解され吸収されると考えられています(アミノ酸は通常の食品に含まれるたん白質の構成成分です)。
食品への表示は、しらこたん白抽出物、しらこたん白、しらこ分解物、プロタミン、核たん白、しらこのいずれかが用いられます。
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安息香酸ナトリウム

安息香酸ナトリウム安息香酸ナトリウムは、カビや酵母に効果があり、清涼飲料水等で使われる保存料です。
安息香酸は化学的な合成法により製造されています。自然界には広く分布しており、かんきつ類、バナナ、リンゴ、ナシ等の果実やチーズ、醤油等に含まれていると報告されています。安息香酸は水に溶けにくいため、安息香酸ナトリウムがよく用いられています。
米国等では比較的幅広い食品への使用が許可されていますが、わが国ではキャビア、マーガリン、清涼飲料水、シロップ、醤油、菓子の製造に用いる果実ペーストに限られています。

プロピオン酸カルシウム

プロピオン酸カルシウムパンは酵母を利用して作られます。プロピオン酸カルシウムはパン酵母への効果が弱く、カビ等には有効なので、パン等によく使われる保存料です。 プロピオン酸カルシウムは、同じく保存料であるプロピオン酸をカルシウム塩にしたものです。プロピオン酸は化学的に合成されていますが、味噌、醤油、チーズ等にもともと含まれる香気成分でもあります。また、私たちの体内で腸内細菌によって産生されることも知られています。

グリシン

グリシングリシンは保存料ではありませんが、耐熱性菌(加熱に強い菌)の生育を抑える効果があるため日持向上剤としてよく使われます。

グリシンはアミノ酸の一種で、私たちの体を構成するたん白質の原料でもありますが、食品添加物として使われるのは化学的に合成されたものです。エビ、カニなどの魚介類のうま味成分としても知られており、調味料として利用されることもあります。
グリシンは対象食品を制限されていませんので、幅広い食品で利用されています。
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酢酸ナトリウム

酢酸ナトリウム酢酸ナトリウムは保存料ではありませんが、幅広い細菌類の生育を抑える効果があります。対象食品の制限もなく、日持向上剤として最もよく使われる食品添加物です。
酢酸ナトリウムは、日持向上剤としてのほか、pH調整剤や調味料、酸味料としても利用されています。法令により、このように複数の機能を持つ食品添加物については、主な使用目的に従って表示することになっています。日持向上剤としての利用であれば物質名のみ、pH調整剤や調味料、酸味料としての利用であればこれらの名称(一括名といいます)で表示されます。
酢酸ナトリウムの原料である酢酸は、食酢の主成分としてよく知られています。食酢は醗酵法あるいは合成法で作られますが、食品添加物としての酢酸は高純度を要するため化学的に合成されています。
日持向上剤の効果は全般的に保存料より低いために、添加量は保存料より多くなる傾向があります。しかし、保存料には使用制限のあるものが多いために使えない場合や、保存料はイメージが悪いとされているために保存料表示を避けたい場合などに、酢酸ナトリウムのような日持向上剤が利用されます。
関連資料
  • 01 食の安全を守るために
  • 02 食べ物の腐敗と食中毒
  • 04 食品添加物の安全性