食品添加物の役割と利用

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03 食品添加物の役割と利用

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#1 食品添加物とは

食品添加物とは

食品添加物の歴史

人類はずっと昔から、食品保存のために化学物質を利用してきました。私たちの祖先は、酢に漬けたり、煙でいぶしたりすることで食品が日持ちすることを発見しました。
例えば紀元前6千年頃、古代エジプトでは岩塩を食品保存のために使っていました。岩塩には塩漬けにした肉の色を良くし、風味を増して、食中毒を予防する働きがあることが既に知られていました。これは岩塩中に含まれている硝酸が亜硝酸に変わることで生じる作用であり、現在ハム・ソーセージに亜硝酸塩が使われているのと同じ理由です。
このように人類は昔から食品を保存、加工するためにさまざまな化学物質を使ってきたのです。
昔から利用されていた食品添加物

日本での食品添加物制度の流れ

このように科学や法規制が発達するずっと以前から食品添加物は使用されてきたため、過去においては安全性に問題のあるものが使用されたり、品質をごまかす目的で使用されたりといったことがありました。
こうした事態を防ぐために、日本では食品衛生法(1947年公布)により、指定された食品添加物しか使用してはならないという制度(ポジティブリスト制度)が世界に先駆けて導入されました。
その後の更なる科学や法規制の発展によって、食品添加物の安全性や規制手法は見直されてきました。その過程で、使用禁止になった食品添加物もあります。こういった過去の積み重ねがあり、現在ではより安全な食品添加物だけが使われています。

食品衛生法による定義

食品衛生法では、食品の製造に使うことができるのは、食品か食品添加物であり、食品添加物は厚生労働大臣が定めたものしか使ってはいけない、と決められています。

食品の定義(食品衛生法第4条)

この法律で食品とは、全ての飲食物をいう。ただし、医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律 (昭和三十五年法律第百四十五号)に規定する医薬品、医薬部外品及び再生医療等製品は、これを含まない。

食品添加物の定義(食品衛生法第4条の2)

この法律で食品添加物とは、食品の製造の過程において又は食品の加工若しくは保存の目的で、食品に添加、混和、浸潤その他の方法によって使用する物をいう。

食品添加物の指定制度(食品衛生法第10条)

人の健康を損なうおそれのない場合として厚生労働大臣が薬事・食品衛生審議会の意見を聴いて定める場合を除いては、食品添加物(天然香料及び一般に食品として飲食に供されている物であって食品添加物として使用されるものを除く。)並びにこれを含む製剤及び食品は、これを販売し、又は販売の用に供するために、製造し、輸入し、加工し、使用し、貯蔵し、若しくは陳列してはならない。

食品衛生法による分類

食品衛生法により、使用して良いものとしてリスト化されている食品添加物は2種類あります。安全性と有効性が確認されて厚生労働大臣より指定されている指定添加物と、1995年以前より使用されている、いわゆる天然添加物である既存添加物です。加えて、天然香料、一般飲食物添加物が例示されています。

食品添加物の種類

  • 指定添加物
  • 天然、合成に関わらず、安全性と有効性が確認されて厚生労働大臣により指定されているもの。
    食品衛生法施行規則別表第一に収載されています。
  • 例)L-アスコルビン酸、キシリトール、ソルビン酸 など
  • 既存添加物
  • 1995年以前はいわゆる“天然添加物”は指定の対象外でした。1995年以前から使われてきた、いわゆる天然添加物のうち、長年の使用実績のあるものとして、厚生労働大臣より経過措置的に使用が認められているものが既存添加物です。厚生省告示の既存添加物名簿に収載されています。
    現在、既存添加物は365品目あります。これらについては、安全性の確認が進められており、 251品目は安全性の評価が完了、109品目は早急に検討を行う必要がないとされていますので、残り5品目となっています。
  • 例)キトサン、トレハロース、ステビア、しらこたん白 など
  • 品目数が減っているのはなぜ?
  • 既存添加物は1995年には489品目ありましたが、124品目が消除され現在の365品目に至っています。流通実態がないという理由で123品目、安全性に疑いがあるという理由で1品目が消除されました。
    安全性に疑いがあって消除された1品目というのは、アカネ科の植物の根から得られる色素であるアカネ色素のことで、ラットで発がん性が疑われたことから、2004年に消除されました。
  • 天然香料
  • 動植物から得られるもので、食品の着香の目的で使われるもの。厚生省生活衛生局長通知の天然香料基原物質リストにその基原物質が例として示されています。
  • 例)バニラ、バラ、ローレル など
  • 一般飲食物添加物
  • 一般に食品として飲食されているもので食品添加物として使用されるもの。
    厚生省生活衛生局長通知の一般に食品として飲食に供されているものであって食品添加物として使用される品目リストに、品名や基原・製法・本質等が例示されています。
  • 例)エタノール、オレンジ果汁、パプリカ粉末 など

食品添加物はどうやって決められているの?

指定添加物については、下図のように内閣府の食品安全委員会が安全性を科学的に評価し、厚生労働省での審議を経て、最終的には厚生労働大臣の認可により決定されます。
  • 01 食の安全を守るために
  • 02 食べ物の腐敗と食中毒
  • 04 食品添加物の安全性