食品を内から守る

食品中で微生物を増やさないために
微生物はあらゆるところに存在するので、どんなに食品に微生物をつけないようにがんばっても、完全に除菌することは難しいのが実情です。また、通常の加熱調理では死なない微生物もいるので注意が必要です。そのため、食品中で微生物が増えないように守ってあげることが重要です。
食品を日持ちさせる食品添加物ってどんなものがあるの?
食品中で微生物が増えないように内から守るものとして、保存料や日持向上剤、pH調整剤などの食品添加物が利用されます。
というのも、食品の中に入れることができるものは、食品または食品添加物でないといけないと決められていますので、必然的に食品添加物が使われることになります。
同じ食品添加物で、同じ微生物コントロール目的なのに、保存料や日持向上剤、pH調整剤などと名称が異なるのは、食品表示関連の法令や自主基準の定めによります。
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保存料
ソルビン酸
しらこたん白
など
- 加工食品中の微生物が増えるのを防ぎ、腐敗・変敗や食中毒リスクを低減するために使われるものです。
日持向上剤
グリシン
酢酸ナトリウム
など
- 保存料と同じく加工食品中の微生物が増えるのを防ぐものです。惣菜、サラダなどの保存性の低い食品について、比較的短期間の腐敗・変敗を抑えるためによく使用されます。
保存料と比べると効力が弱いことから区別されていますが、実際には食品や微生物の種類によっては保存料と同等の効果を示すこともあります。
pH調整剤
フマル酸
クエン酸
乳酸
乳酸ナトリウム
など
- 食品のpHを調整するために使われるものです。多くの微生物は酸性側のpHでは生育しにくく、pHを調整することで微生物が増えるのを抑えることができます。食品においてpHは重要なもので、微生物を抑える以外にもさまざまな役割があります。
- ※pHとは?
水溶液の性質(酸性・アルカリ性の程度)をあらわす単位。pH7は中性、pH7より低い状態を酸性、高い状態をアルカリ性と呼びます。
- 関連資料
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保存料や日持向上剤、pH調整剤以外にも・・・
調味料や酸味料の成分にも微生物が増えるのを抑える効果のあるものもあります。
また、身近なものでは、お酢やお酒に含まれるエタノールといった食品成分にも効果が確認されています。
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